
話題をさらったコントレイルの父子無敗三冠や、デアリングタクトの牝馬三冠という歴史的快挙も無事に達成して、これからは古馬も含めて『現役最強』の座を争う暮れのGⅠ戦線へと移っていく。当初はレベルが低いと言われていた3歳世代だが、毎日王冠のサリオスの快勝劇を見れば認識を改める必要があるだろう。
たとえ、世代全体のレベルが多少低くてもコントレイル、サリオス、デアリングタクト……等のトップレベルの馬は古馬陣と対等に渡り合えるはず。デアリングタクトのジャパンカップ参戦は発表されたが、コントレイルとサリオスは体調を見極めながらのレース選択になりそう。世代を超えた強い馬達の激突にわくわくドキドキしている。

● 天皇賞・秋(GⅠ) 芝2000m
出走表
1 ブラストワンピース 牡5 58 池添
2 カデナ 牡6 58 田辺
3 ダイワキャグニー セ6 58 内田
4 ダノンキングリー 牡4 58 戸崎
5 ウインブライト 牡6 58 松岡
6 フィエールマン 牡5 58 福永
7 クロノジェネシス 牝4 56 北村友
8 キセキ 牡6 58 武
9 アーモンドアイ 牝5 56 ルメール
10 スカーレットカラー 牝5 56 岩田康
11 ダノンプレミアム 牡5 58 川田
12 ジナンボー 牡5 58 デムーロ

勝つのはクロノジェネシス。3歳時の春まではGⅠ戦線では善戦はしても勝つまでの力がなかったが、秋華賞を快勝してから馬が明らかに変わった。始めての古馬と対戦したエリザベス女王杯こそ、ラッキーライラックの5着と唯一の着外になったが、その後は牡馬の一線級相手に引けを取らないようになり、前走の宝塚記念では圧勝。もともと休み明けは走る上、状態面にも不安なく牝馬ナンバーワンの座をもぎ取る。
二番手には天皇賞春秋連覇を狙うフィエールマンを推す。率直に言って距離が短い気もするが、3歳時は1800mで実績を残している。騎乗していたルメールも東京の2000mなら、心配ないと太鼓判を押していた。「ハミ掛かりが良く、楽に行ければ能力的にはヒケを取らない」と、初コンビの福永。広くて直線の長い東京で最強牡馬に君臨するか。
断トツ人気確実のアーモンドアイ。能力的にマイルから2400mまではどの距離にも不安はなく、2000mこそ最適と言われている。しかし、この馬のピークは過ぎている気がする。取りこぼしが出てきた上にスタート不安を考えれば、1倍台の人気に推される馬ではない。5枠9番という枠も微妙で、圧勝の可能性もあるが信頼感は低いと見ている。