
今週で引退される競馬人がたくさんいますね。一人一人精一杯ご自分の競馬人生を歩んで来られて静かに去って行く。毎年2月最終週に繰り返される儀式みたいなものですが、今年も松田国調教師、石坂正調教師、蛯名正義騎手……を始めとして一区切り付けて次の半生に向かう事になります。
その中で、異色の去り方をするのが角居勝彦調教師。もう、私が競馬を始める前から《東の藤沢、西の角居》と注目していた調教師でした。その角居先生がまだ50代の若さで引退とは驚きしかありません。実家を継いで宗教家として再スタートを切るとは……、調教師として先進的な道を歩んで来られた角居先生らしいのかもしれません。そちらの道でもご活躍をお祈りします。

● 中山記念(GⅡ) 芝1800m
出馬表
1 トーセンスーリヤ 牡6 56 横山和
2 コスモカレンドゥラ 牡5 56 柴田大
3 ノーブルマーズ 牡8 56 高倉
4 ケイデンスコール 牡5 56 岩田康
5 マイネルハニー 牡8 56 丸山
6 フランツ 牡6 56 デムーロ
7 バビット 牡4 56 内田博

8 ヒシイグアス 牡5 56 松山
9 サンアップルトン 牡5 56 柴田善
10 ゴーフォザサミット 牡6 56 蛯名
11 クラージュゲリエ 牡5 56 ルメール
12 パンサラッサ 牡4 55 三浦
13 ウインイクシード 牡7 56 横山武
14 ショウナンライズ 牡8 56 大野

ここはバビットの逃走劇に期待する。デビュー当時の評価は高くはなかったが、小気味の良い逃げで未勝利戦、1勝クラスに続いてラジオNIKKEI賞、セントライト記念と破竹の4連勝。コントレイルの無敗三冠がかかった菊花賞では3番人気に推された。その菊花賞で10着、果敢に挑んだ有馬記念13着と失速したが再び輝きを取り戻すための4歳初戦。「元気になってきた。距離、コースとも条件が良くなった」と言う浜田師。この先を占う大事な一戦は逃げ切りの一発回答で発進する。

対抗するのは年初の中山金杯で初重賞勝利を決めたヒシイグアス。3歳時の重賞戦線では力負けして期待を裏切ったが、昨年は好位からの安定したレースで好成績を収めて3連勝で重賞制覇にたどり着いた。美浦W5F68秒9ー39秒8ー12秒6を持ったまま余裕の手応えで倂入。「今回は開幕週を意識した乗り方になると思う」と堀師。積極策でGⅢに続いてGⅡ奪取の構え。
3番手には実力馬クラージュゲリエ。2歳時に重賞ゲットするなど期待に違わぬ力でクラシックでも好走。長期休養もあって足踏み状態が続いたが、ここ2走の好走で復活。「前走はレース前に落鉄があったが福永騎手が能力を引き出してくれた。爪の状態も安定してしっかり乗り込めた。中山も1800も良いし自在性もある。勝てないレースが続いているので結果を出したい」池江師は勝利の完全復活を狙う。