
いよいよ日本ダービー。今年の低レベルの3歳馬では盛り上がらないだろうと思っていたが、何といってもダービーはダービー。その枠順が決定したが、4強と目されている馬達が全て外側という皮肉な結果になってしまった。12番ダノンベルーガ、13番ドゥデュース、15番ジオグリフ、18番イクノイックス……。
連続開催で内が荒れている東京競馬場だけに極端な内枠よりは外目の方がいいような気もするが、ダービーを勝つにはある程度のポジション取りが必要と言われている。更に今週からCコースになるので先週までのように外差しだけに頼る訳にも行かないだろう。今年もトラックバイアスを考えた騎手の手腕が鍵を握りそうな気がする。
● 日本ダービー(GⅠ) 芝2400m
出馬表
1 アスクワイルドモア 牡3 57 岩田望
2 セイウンハーデス 牡3 57 幸
3 アスクビクターモア 牡3 57 田辺
4 マテンロウレオ 牡3 57 横山和
5 ピースオブエイト 牡3 57 藤岡佑
6 プラダリア 牡3 57 池添
7 オニャンコポン 牡3 57 菅原明
8 ビーアストニッシド 牡3 57 和田竜
9 ジャスティンパレス 牡3 57 デムーロ
10 マテンロウオリオン 牡3 57 横山典
11 ジャスティンロック 牡3 57 松山
12 ダノンベルーガ 牡3 57 川田
13 ドゥデュース 牡3 57 武
14 デシエルト 牡3 57 岩田康
15 ジオグリフ 牡3 57 福永
16 キラーアビリティ 牡3 57 横山武
17 ロードレゼル 牡3 57 レーン
18 イクノイックス 牡3 57 ルメール
2冠を狙うジオグリフが本命。皐月賞は強いの一言。もちろん、福永騎手の好騎乗もあったが最後の伸び脚はイクノイックスとは桁違い。2000メートルでも距離的に不安視されていたが、あの脚を見れば2400メートルでも無様なレースは考え難い。もちろん、血統的に距離延長を歓迎している馬もいるが、正直そういう適性は走ってみなければ分からないのが現実。ここは素直にこの馬の力を認めるべきだろう。
美浦南W6F83秒2ー38秒5ー11秒4を馬なりで終えた調整に、「短期放牧からいい状態で帰ってきて、皐月賞と同じような状態に持ってこられたと思います」と自信の木村師。追い切りに跨がった福永も「皐月賞より力強さが増し、フォームもしっかりして地面を捕らえる走り。この短期間でいい進化をしている」と絶賛。15番枠と決して恵まれた条件ではないが、誰よりも勝ち方を知る『ダービー男』が史上初の三連覇で混戦に断を下す。

17番、18番、18番、そして18番。今年のルメール騎手のクラシックレースの馬番は故意にとでも言いたくなるような抽選結果。自身もこれまでにない不調だったが、オークスでその鬱憤を晴らす快勝。皐月賞はジオグリフに後れを取ったが、僅か3戦目で最も強い競馬を見せたとも言えるイクノイックスを対抗に推す。美浦南W5F68秒4ー38秒2ー11秒6を馬なりの追い切り。「ずっと冷静にリラックスして走れていた。一番の長所は瞬発力。勝つ自信があります」と先週と同じ言葉で締めくくったルメール。2週連続の戴冠に名手が完全復活で魅せるか。
4強の中で最も恵まれた12番枠をゲットしたダノンベルーガ。初めての敗戦となった皐月賞は4番という好枠が仇となった感じのレース内容。枠なりにインコースを追走して直線の勝負所で内から抜け出しを図ったが、外が伸びる馬場状態に泣いた感じ。美浦南W5F66秒5ー37秒6ー11秒4の最終追い切り。「一週前の追い切り後もすぐに回復したので、しっかり負荷を掛けました。気持ちも入って自ら進んで走ってくれました。皐月賞よりもいい仕上がりで出られると思います」と堀師。ドゥラメンテ以来のダービー2勝目に牙を研ぐ。