
三冠馬への第一関門となる皐月賞。いつもなら今年も三冠馬現れるかなと期待しながらスタートを待つが、今年はそんな雰囲気ゼロ。皐月賞で勝った馬がダービー、菊花賞まで制するような気はしない。今回の出走馬にも無敗馬は3頭いるが、重賞は1勝だけ。全18頭で重賞2勝馬が皆無なんて最近あったのだろうか。
低レベルのどんぐりの背比べ世代なら、それはそれで馬券的には面白いだろうし、どうせアテにならないなら好きな馬や騎手から買うという楽しみもある。内枠に入った人気馬と外枠を引いた人気馬がいるが、中山の場合は極端な内枠も歓迎とはならないかも。最もレースがしやすいと思われる5番から10番までに、人気馬が一頭も入らないというのも波乱の予感を思わせる。
● 皐月賞(GⅠ) 芝2000m
出馬表
1 ダノンベルーガ 牡3 57 川田
2 アスクビクターモア 牡3 57 田辺
3 トーセンヴァンノ 牡3 57 木幡巧
4 キラーアビリティ 牡3 57 横山武
5 グランドライン 牡3 57 三浦
6 ジャスティンロック 牡3 57 戸崎
7 ボーンディスウェイ 牡3 57 石橋
8 ダンテスヴュー 牡3 57 吉田隼
9 サトノヘリオス 牡3 57 岩田望
10 ジャスティンパレス 牡3 57 デムーロ
11 オニャンコポン 牡3 57 菅原明
12 ドウデュース 牡3 57 武
13 ビーアストニッシド 牡3 57 和田竜
14 ジオグリフ 牡3 57 福永
15 ラーグルフ 牡3 57 丸田
16 デシエルト 牡3 57 岩田康
17 マテンロウレオ 牡3 57 横山典
18 イクノイックス 牡3 57 ルメール
本命は前走の共同通信杯でただ1頭57キロを背負いながら2着に入線したジオグリフ。湿った馬場も苦にしない上に鋭い末脚が有りながら前での競馬も出来るのは好材料。美浦南W6F84秒3ー38秒3ー11秒2を馬なりの最終追い切り。「前走は毛づやも冴えなくて半信半疑だったので、結果にはいい意味でびっくり。一回使って、気候も良くなって上向いている」と、一週前の木村師。
最終追い切りの福永は、「レースや調教動画で見た印象よりも動きの質が高かった。操縦性は問題ないし、反応も速い。小回りの2000メートルは全く問題なさそう」と言い切る。12月の結果に関しては追い切りで反省点があったと木村師が認め、それを改善してこのレースに挑む陣営。新馬戦や札幌2歳ステークスの強さはピカイチで、体調さえ戻れば今年のメンバーで力は上位。スタートの上手い福永で巻き返しは可能。

相手には同厩舎のイクイノックスを推す。まさかの大外18番枠になったが、このメンバーで最もインパクトのある勝ち方で2戦無敗。東スポ杯2歳ステークスから5ケ月振りの実戦で皐月賞という異例のローテーション。美浦南W6F84秒8ー38秒6ー11秒6を馬なりの追い切り。「長目から追った先週はスタミナ。今週はスピードを見せてくれた。皐月賞は両方必要なレース。ほぼベストコンディションでしょう。どこのポジションからでも出来るし、最後は速い足を使える」と自信のルメール。木村勢が2頭並んで直線の先頭争いに割って入るか。
脚質と枠順から面白いのはアスクビクターモア。一戦一戦力を蓄えて前走弥生賞で初重賞制覇。決して派手さはないが中山コース3戦3勝という実績も光る。美浦南W6F82秒0ー36秒1ー11秒2を馬なりの最終追い。「状態としては上がっているのが見て取れる。心身ともに充実しているし操縦性もいいし、脚元も全く問題ない。気持ちが穏やかで鞍上の指示をしっかり待てる。したいなと思っている通りの稽古でした」と言い切る田村師。この馬にとっては絶好の2番枠を生かして早目の攻めるレースで抜け出せるか。